嗤フ蝸牛・改

シンガーソングライター、ボイストレーナー、作詞作曲編曲家の秦千香子のブログです。

いい声でておいで

こんにちは、秦です。
 
最近ボイストレーナーのお仕事をさせていただく機会がすごく増えました。
 
俯いてボソボソ「歌って苦手で。。。」とか喋ってた人が、
レッスンのあとバンバン大きな声が出るようになると姿勢や表情まで変わって、
「わあー!!すごい!楽しい〜!!」って言ってくれる。
 
そうなんだよね、大きい声が出るって、
大きい声で話したり歌ったり出来るって、
まるで世界が広くなってみたいに感じて気持ちいいし楽しいんだよね。
しかも、思った通りに歌えた時の幸せな気持ちったらないよね。
 
 
昔自分がやっていたバンドがデビューしたころ、
色んな不安から何故か大きな声が出なくなった。
 
どうしよう、これからなのに
唯一1番自信を持ってた筈の大きな声が出ない
のびのび表現するのは得意な筈だったのにどうしたらいいかわからなくなった
何より歌うのが大好きだった筈なのに、
私はライブが始まる前恐怖でトイレに閉じこもったりするようになってしまった。
 
そんな時当時のマネージャーさんが紹介してくださったのが舘野絵理子さん
私にボイストレーニングの凄さと楽しさを教えてくれた先生でした。
 
会った瞬間絵理子さんは
「あなた、歌うも何も息が出来てないわよ」
と言った。
 
息?
息って?
え、そこから?
そんな?
 
「息が吐けてないから、吸えないの、まずは呼吸しなくちゃ」
 
その時意味がよくわかっていなかったその言葉の意味の大切さを、
声を出すたびに噛み締めています。
 
 
「さあー今日もいい声出しましょう」
 
ボイスレッスンが楽しくなってきた頃、
絵理子さんがレッスンを始める時に言ってくれた何気ない言葉は、
いまでも毎朝私の背中を押してくれます。
 
思い切り呼吸して、思い切り大きな声で素直な気持ちを歌える楽しさを、
私も自分のところへレッスンに来てくれる人たちに伝られたら最高だなと思いながら
いつもレッスンしています。
私が貰った大きな声を今度は私がまた誰かにプレゼントしたいなあ
 
さあ、みんな、今日も良い声出そうぜ
 
いい声が引っ張り出してくれる最高の笑顔が見られるのが
超しあわせな最近です

変わり続ける強さ

こんばんは、秦千香子です


東京は雨がじゃあじゃあ降っています
そんななか素敵なニュースが出ておりまして


http://yuzu-official.com/contents/193197
ゆず新曲『マボロシ』が、ドラマ「昭和元禄落語心中」主題歌に決定!


今回の新曲、すこしお手伝いさせてもらいました。
詳しくはまたお知らせします



すこし、ゆずの思い出話をします

高校生の時のわたしは海外のロックやポップスばかり聴いていたのですが、
ラジオで「夏色」を聴いてすぐにゆずの大ファンになってしまいました
メインのメロディーに対してのハーモニーラインが独特で、ハーモニーの方だけ歌ってもそれはそれは美しい旋律になるところが好きでした

すぐに学校の近くの本屋さんでCDを取り寄せて(田舎すぎてCD屋さんとかありませんでした)毎日毎日あの二人のハーモニーに酔いしれ、高校のお昼の放送でかけまくるなどし、友達に貸したゆずのアルバムはぐるぐる回ってなかなか手元に戻ってこなかったのを思い出します


「夏色」は爆発的なヒットになり、あの軽快なギターが鳴るだけで老若男女すぐさまイントロドン出来てしまうであろうほどお茶の間に浸透したわけですが、
あれからもう20年
高校生だった私はいま歌を歌ったり歌う人を手伝ったりする仕事をしていて、
おかげで光栄なことに時々ゆずと仕事させていただく機会にも恵まれており、あの頃の私が知ったらビックリしてぶっ倒れるんじゃないかと思います

ゆずのおふたりはずっとトップランナーでありながら未だに新しく生まれ変わり続ける挑戦者であるところがほんとに凄い
「俺たちこういう曲がウケるから作ろう」
みたいなことだけじゃない、
常に新しく、かつ沢山の人たちに届くクオリティの作品を作り続けることがどれだけ大変なことか

私だったら、
すこしでも上手くいくと、変化が怖くなる
上手くいったことをベースに焼き直してその先生きていこうとするだろう
嫌われるのが怖いからだ

「変わっていく」ことを喜ばしいことと受けとる人もそうでない人もたくさんたくさんいるとわかっててゆずはやる
怖くない筈はない
作品という問いを投げて、どうなるかを見てるように見える
まるで良く知った人たちと言葉のキャッチボールをかわすみたいに
どうしてあんな強くいられるんだろう
まっすぐまっすぐ「聴く人たち」を信じてる
そんな気がする
それがとてつもなくすごいことだとわたしには思える



なおかつたまたま出会った私みたいなどこの馬の骨ともわからん野良ボーカリストを度々制作のお手伝いに呼んで下さったりするその度量には落涙を禁じ得ずまず足を向けては寝られません


ゆずの「マボロシ
まだ仕上がりは私も聴いていないのですが
挑戦し続ける兄さんたちの心意気を座して受け止めたい所存です

私も攻め続けて生きてみたいと
猫背の背筋がしゃんと伸びるような思いです


あ、雨、止んだようです

ではではまた